篠田 節子

定価: ¥ 680
販売価格: ¥ 680
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おすすめ度:

発売日: 2006-11
発売元: 文藝春秋
発送可能時期: 通常4~6日以内に発送
コンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)はご存知ですか?私も本屋さんに立寄った時に、気になって手に取った本なのですが、目次を読んだだけで欲しくなっちゃいました。
コンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)には、ちょうど気になっていた事がそのまま書かれていたんです。これって凄いタイミングだと思いました。なので、コンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)の価格も気にせずにレジまで直行、購入しました。
家に帰ってから早速読み始めたのですが、内容自体は決して難しくはありません。逆に初心者にも分かりやすいくらいの表現で書かれていると感じました。
コンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)を読んでみて思ったことは、「このコンタクト・ゾーン〈上〉 (文春文庫)に出会えて良かった!」というのが正直な感想です。
「負け犬」女性の真骨頂ここにあり!?
カバーの粗筋を読む限りでは、浅田次郎氏『オー・マイ・ガーッ!』ばりのドタバタ道中記かと思いきや、そこは一筋縄ではいかないこの作家。一見おバカな時代遅れのバブリーOLと思わせながら、それほどお気楽ではない現実と意外にマジメな内面が描かれていて、溜飲が下がる。同世代の働く女性なら、主人公3人の言動や価値観のどこかに自分と共通する部分を感じるはず。最も傑作なのは、自分が理解あるいはコントロールできる(と信じている)ステロタイプな女性像に当てはめてしか他人を見ないオヤジでおマヌケな現地の日本人ガイド。よくいる今時30?40代の典型的な日本人サラリーマン。読みながら何度、「そうそう!こういう奴いる」とツッコミたくなったか。解説を書いている大学教員の認識もその例外ではなく、もしや小説に悪ノリして露悪的に書いた?と疑りたくなるほど。解説までまるごと楽しめます。
非常識にはなりたくないと思いますよ!
リゾート地で買い物を楽しむ、これぞ日本のOL!!という3人組。
彼女たちが、情勢不安な地へ買い物旅行へ行く。
これまた、非常識極まりない旅行者。
世界各国を旅行した私も、こんな人をたくさん見て「はぁ!?」と思ったことがたくさんありましたが、この3人もまさしくそれでした。
最初はイライラしてしまいましたが、人間生きるためには変わるしかありません。
それぞれが、文化や習慣、考え方の違う地で生き延びなくてはならなくなると、驚くほどの順応性を発揮します。
それをうまく描けていると思いました。
祖国へ帰れるか分からない不安。
いつ殺されるか分からない不安。
そこで笑い合える幸せ。
そんなものを感じることができました。
冒険小説のようで、人間の成長を読みとることのできる作品です。
人が人らしく死ねる村
当初の3人の女性は、どうしようもなく軽く描かれている。
政情不安定な地に、バカンスと買い物をしに来る時点で、既に軽過ぎる。
しかし、3人は軽いばかりではなかった。
その後に直面する場面場面での、3人の行動は頼もしい。
この村の文化は、日本とは天地程異なるが、生きるためとは言え、うまく順応しようとする。
3人のうち、一見最も思慮深い様で、実はその逆だと感じるのが医者の祝子だ。
村の一人の老人の臨終に際して、医療行為を強要して、人々の顰蹙を買うという下りがある。
この村では、病院でのいくつかのケースとは異なり、人が人らしく死ねる。
医療に対する、祝子の様な上辺だけの理想は、時に有害だ。
物語は、生きて日本に帰れるのか?というスリリングな綱渡りの連続だが、
3人は価値観の相違の狭間で悩み、順応しようとする。
このあたりに、読み応えを感じる。
著者の名著「弥勒」は非常に重いテーマを扱っているが、本書も根底では似た部分がある。
しかし、比べて本書は雰囲気が軽く、ずっしりとした重みはあまり感じない。
それはそれで、気軽に読めるという利点もある。
下巻での結末はある程度想像出来るが、
下巻でも、展開にスリルがあり、印象的な結びとなっている。
また、各章に付記された小タイトルは、なかなか魅力がある。
テーマは重いが「楽しめる」作品だ。
